第9章 ※チームメイト
「ダァー…!」
「あぁはいはい、ごめんね」
サンダースがもがき始めたので腕の中から解放すると、ゾロアーク達の方へ駆けて行った。自由にはしゃぐポケモンたちを見て顔がほころぶ。
「私は強くなるためにパシオに来たけど、Nさんは人とポケモンの理想を探しにパシオに来たんですね」
「ナナの夢だって、ボクが求めている答えのひとつだよ。ポケモン勝負を通じて、ヒトとポケモンは信じ合い、心を通わせ、きずなを確かめ合える。だからボクもWPMに出て、トモダチとのきずなを確かめたくなったんだ」
「フン、ポケモンへの信頼と愛情ってヤツだろ?結果的にそれが最強への近道なんだろうな。Nのポケモンへの思いが強いのは見てればわかる。実力もそれに比例してるしな」
「うんうん。Nさんってポケモンラブ!って感じだもんね」
深く考えずにそう返すと、シルバーくんが深々と嘆息した。
「お前、ヘラヘラしてるけど、Nはイッシュのチャンピオンを倒すほどの実力者だからな」
「え?」
……ということは、それって実質チャンピオンでは…?
いや、でもそうだよね、だってとっても強いもん。分かってた、分かってたけどさ…。
そんな実力者なら、優勝候補のチームからのお誘いだって絶対あったはずだ。
それなのに、どうして私と…。
「なに今更ビビってんだよ」
「そりゃあびっくりするよ。流れで組んでもらえたけど、本当によかったのかなって…」