第8章 でこぼこトリオ結成
「ポケモンを無理やり実験に…なんてむごいことを…」
Nさんは静かに、怒りと悲しみを宿した顔つきでそう言った。
「ロケット団を追いかける?」
「いや、今は下手に追わず、研究所に戻って博士に見たままの事実を伝えるのが先決だろ」
たしかに、視界の悪い夜の森でロケット団を探して時間を消耗するよりも、研究所に戻って情報共有した方が話が早い。
「わかった。戻ろう!」
「ボクも行っていいかい?」
「一応聞くが、理由は?」
用心深く、質問を投げかけるシルバーくん。
「トモダチを助けたい。そのためにロケット団の動向を知りたい」
Nさんの意志を確かめた後、今度は私に質問してきた。
「お前はどう思う?」
「どう思うって…」
目の前のNさんを見つめる。まっすぐな瞳に嘘偽りがあるとは思えない。
「Nさんは私たちを助けてくれた。断る理由なんてないよ」
そう伝えると、シルバーくんの顔つきが幾分か和らいだように見えた。
「——だそうだ。博士の助手見習いがこう言ってるし、来たきゃついてこいよ」
「アリガトウ!」
こうして、Nさんも連れ、3人でヒナギクポケモン研究所へと向かったのだった。