第8章 でこぼこトリオ結成
博士は、白と黒の二色の髪を猫耳のようにまとめ、パンツルックに白衣を羽織っている。きれいな人だなぁと目を奪われていると、ふと、スカーフを留めているブローチが目に入った。私の視線に気がついたヒナギク博士が、話しかけてくる。
「ふふ、これが気になる?みんなのポリゴンフォンにあるのと同じ、パシオ近海でしか採れないバディストーンよ。私は、このバディストーンの研究を専門としているの」
「パシオに来て驚きました。その石の力で、バディーズわざが使えるし、ポケモンがメガシンカやダイマックスをするんですよね?」
そう返すと、ヒナギク博士は嬉しそうに胸元のブローチをそっと撫でる。
「ええ。バディストーンは、人とポケモンのきずなを力に変える不思議なエネルギーを秘めているの。けれど、化学的に証明できる部分はまだ少なくて、ほとんどが未知数なの」
博士は紅茶を一口飲んで、軽く息をついて続ける。
「ダイマックスも、ムゲンダイナが来たことでここ最近新たに発生した現象でね、今はガラル粒子が引き起こす空間の歪みと、バディストーンの相互作用を調べていて研究所に缶詰め状態。なかなかフィールドワークの時間が取れていなかったから、ちょうどお手伝いをしてくれる人を探していたのよ」