第8章 でこぼこトリオ結成
ヒナギクポケモン研究所はセントラルシティの街外れにあり、トレーナーズサロンから歩いて10分ほどの距離だった。
研究所はこじんまりとしているけど、とても綺麗に整頓されていた。書棚にはびっしりと本が並び、ポケモンの卵の孵化装置や、バディーストーンの原石を収めた展示ケースが置かれている。そのまわりには、学術書や研究論文が無造作に広げられていた。
年季の入ったオーキド博士の研究所しか見たことがなかったので、最新鋭の設備が並び、女性らしいおしゃれなインテリアもあるヒナギク博士の研究所は、私の目にとても新鮮に映った。
「ウェルカム!みんなよく来てくれたわね」
ヒナギク博士は、私たちを笑顔で出迎えてくれた。
グリーンが博士に挨拶をしてから私を紹介する。
「この子が博士に話したナナです」
聞き慣れないグリーンの敬語に少しドキドキしつつ、ぺこりと頭を下げた。
「ナナですっ。はじめまして!カントーのマサラタウンから来ました」
「ナイストゥーミーチュー!グリーンの幼馴染なんでしょ?あなたのことは彼からよく聞いてるわ。シルバーも来てくれてありがとう。ゆっくりしていって」
ヒナギク博士は私たちを応接用のテーブルに案内し、紅茶を振る舞ってくれた。