第8章 でこぼこトリオ結成
「むむ!これはなんと、ここでトライアングル勃発ですね」
メイちゃんが頷きながら探偵気取りなポーズで言い放つ。どうやらこのポーズは、メイちゃんが考える時の癖らしい。
「どうしましょう…」
リーリエちゃんは頬を紅く染め、眉をきゅっと寄せて困り顔。
「オレ様幼馴染VSツンデレ一匹狼、甲乙つけがたいです…!」
「なんだかメイさん、とっても楽しそうです」
ふたりのやり取りを見ながら、ジョウトトリオが気まずそうに笑った。
「やめなさいよシルバー。ナナちゃん困ってるでしょ」
「でもシルバーも楽しそう」
「楽しくない」
コトネちゃんの言葉をきっぱりと否定するシルバーくん。私も全然楽しくない。
「ハッハッハ!威勢がいいのは嫌いじゃないぜ!」
突然、グリーンが声を上げて笑い出した。そして、私とシルバーくんの背中をバンッと叩く。
「ほら行くぜ」
そのまま私たちの肩を抱いてずんずんと歩き出す。
「おい、お前っ、くっつくな!離れろ!」
「わざとじゃない!グリーンが急に押すからよろけただけ!」
「ナナ!」
ヒビキくんに呼ばれ、振り返る。
「シルバーをよろしくね!」
たったひと言だったけれど、その言葉にはシルバーくんへの深い信頼と、友情がぎゅっと詰まっているように感じた。
「うん!じゃあみんな!またね!」
私に続き、グリーンも別れの挨拶に指をピッと立てる。そんないつものジェスチャーを、またメイちゃんがまねっこして挨拶を返す。
そうして、賑やかで楽しい時間に別れを告げ、グリーンに連れられてヒナギクポケモン研究所へと向かった。