第8章 でこぼこトリオ結成
グリーンは私たちの会話に割り込むでもなく、静かに見守っている。すると、ふっと目を細めて笑顔になった。
「いい仲間ができてよかったな」
言われて、シルバーくんと話す時は、気を使わず等身大の自分でいられるのに気がついた。歳が近いのもあるだろうけど、不思議とシルバーくんには緊張せずに話せていた。
グリーンに向き直り笑顔を返す。
「……うん!」
「仲間じゃない」
シルバーくんは、どうしても私を“知り合い”から昇格はさせたくないようだ。でも、私にとってはもう仲間であり友達だ。たとえそれが一方的だとしても。
「呼び方なんてなんでもいーけどよ、こいつをよろしくな。泣き虫で怖がりでどうしようもないヤツなんだ」
「ほんとにどうしようもないな」
ふたりとも酷すぎないかな?
「けど、かわいいとこもあってさ、このオレ様が世界でいちばん大好きなんて言っちまうんだよな」
「……ちょ、え?はい!?」
そりゃ確かに言ったけど今言うかな?
今言うかな!?
グリーンの言葉に、その場にいた全員が顔を真っ赤にする——シルバーくんひとりを除いて。
「……くだらない。そんな予防線張ってこなくたって手なんか出さねーよ」
と言ってから、皮肉たっぷりな笑顔を浮かべる。
「まぁ、“オレ”からは手を出さないが、どうなるかはこいつ次第だけどな」
「言うじゃねーか」
見えない火花を散らすふたり。挑発VS皮肉の応酬に早くも私の心が持ちそうにない。
「し、シルバーくん、ご冗談を…」
そんなこと言ったら、あとでグリーンに何をされるか分かったもんじゃない。