第8章 でこぼこトリオ結成
「無駄話する余裕があるってことは、もうメンバーは見つかったんだよな?」
耳が痛い。
「いや、あのね、ちょうどこのふたりを誘ってダメだったとこで……」
「誘った?推理だなんだ言ってたのは——」
「あっ、いたいた!シルバー!」
絶妙なタイミングでシルバーくんを呼ぶ声がする。詰め寄られていたところから救われ、ホッと胸を撫で下ろした。
「チッ、面倒なヤツがきた」
眉間に縦皺を刻み、たいそう機嫌の悪そうなシルバーくん。そんなシルバーくんに向かい、帽子を被った男の子が手を振りながら近づいてきた。そのすぐ後ろにはツインテールの女の子がふたり。みんなシルバーくんとは対照的に明るそうな第一印象。
男の子は第一印象通り、明るく気さくな雰囲気で声をかけてきた。
「あれ?もしかしてキミがナナちゃん?」
「あ、どうも…!ナナです。シルバーくんの友達ですか?」
「違う」
案の定、真っ向から否定するシルバーくん。
「ははっ、シルバーにとっては友達というよりライバルなんだってさ」
鼻の下を擦って、男の子は苦笑した。
「私なんて、“たまたま目的と手段が一致した知り合い”ですから」
「それ、シルバーが言ったの?」
「はい、もちろん」
「あははははっ!シルバーらしいね!キミのことも紹介してって言ってるのに無視するからこっちから探しに来たんだ」
「その反応もシルバーくんらしいな〜」
ふたりでシルバーくんあるあるで笑い合っていると、男の子の背中からひょこっとツインテールがふたつ飛び出した。エメラルドの髪色の女の子と、栗色の髪の女の子が興味津々といった様子で私を見ている。