第8章 でこぼこトリオ結成
「まぁ…!特訓中にブレイク団が…!」
「そこへ突如現れたヒーローがシルバーさんだったわけですね!なんて運命的な出会い!」
メイちゃんがニッコニコしながらはしゃぎ始める。
「そんな衝撃的な出会いからポケモン勝負してチームを組んで…!青春ですね!」
「全然青春じゃないよ。弱かったらすぐに解散宣言されてるし」
肩を落とす私に、リーリエちゃんが眩しい笑顔を向けて励ましてくれる。
「ナナさん!大丈夫です!ナナさんはゼンリョクでがんばっててすごいです!自信を持ってください!」
「そうですよ!シルバーさんだって照れ隠しでそう言っているだけです!ツンデレですよ!ツ・ン・デ・レ!」
そんなわけがない、と思いつつも聞き返す。
「ツンデレ?あの、こおりのようなシルバーくんが?」
「はい!」
と元気よく返事してから、急にメイちゃんは耳元で内緒話を始めた。
「……メイ探偵であるあたしが、シルバーさんの気持ちを推理しましょうか?」
「そんなことができるの?」
「任せてください!ついでにグリーンさんの気持ちも推理して、今後の3人の行く末をバッチリアドバイスしちゃいますから」
「あの、でも実は、私はそもそもグリーンと——」
「随分と楽しそうだな」
「わぁぁ!?」
「シルバーさんっ!?」
勝手にワイワイ盛り上がってるところに、シルバーくんが静かに空気を切り裂いて現れる。
私とメイちゃんはぎょっとして後ろに下がった。