第8章 でこぼこトリオ結成
「ああ、紹介が遅れてごめん。僕はヒビキ。こっちがクリスでこの子がコトネ。僕らみんなジョウト出身なんだ」
エメラルドの髪がクリスちゃんで、栗色がコトネちゃん、と頭にインプットする。
「私はカントーから来たの。よ、よろしくっ」
緊張して最後の方噛んでしまった。平常心平常心…。
紹介してもらったクリスちゃん、コトネちゃんとも挨拶を交わす。みんな明るくて優しくていい人そうだ。
シルバーくんは、3人に話しかけられても、相変わらず鬱陶しそうにあしらっている。それでもみんなは気にする素振りを一切見せずに、シルバーくんを会話に混ぜておしゃべりしている。
シルバーくん、ひとりにこだわってるけど、こんなに素敵な友達がいたんだ。表面上、言葉や態度は冷たくても、シルバーくんの良いところはきっとみんなに伝わっているんだろう。
ジョウトのみんなのやり取りに、なぜだか胸の奥があったかくなった。
邪魔しないよう、しばらく会話を見守っていると、ヒビキくんがこちらに振り向いた。
「でもナナすごいよ!よくシルバーを説得したね。僕が誘っても全然だめだったのに」
「フン、チームを組んだらお前を倒せないだろ」
その言葉に、シルバーくんが倒したいと言っていたライバルがヒビキくんなんだと気づく。そういえば、ヒビキくん自身もさっき友達ではなくライバルと言っていたっけ。