第7章 ※なつき度MAX
「でも、私にできるかな」
やると言ってからウジウジする流れもお見通しだ。こっちは伊達に長年幼馴染やってねーんだよ。
「大丈夫だ。研究所はセントラルシティにあるから、異変があればすぐにオレやみんなも駆けつけられる」
悩んでいるのを知っているからこそ、「自信を持て」なんて軽いノリでは言えないが、
「お前がこの先何度も壁にぶつかっても、その度にオレが支えてやる。だから安心して挑戦してみろよ」
そして、もしオレがそうなった時はそばにいて欲しい。
なんてな。
今はそこまでは言えねーけど、オレがどれだけお前を大事に思っているのかぐらい、いいかげんわかって欲しいもんだ。
「…グリーン!」
「っ!」
突然ぎゅうっと抱きつかれる。全身で喜びを表現してるサマは、どう見てもなつき度MAXだ。
「おいおい、とっしんされたかと思ったぜ」
柔らかいのが当たってんのは、優しい彼氏様への報酬として受け取っておく。
「あのね……やっぱりだいすき!」
涙で潤んだ大きな瞳にオレが映る。
「やっぱりじゃねぇだろ」
挑発するように、指先で顎をすくい上げる。
「当然だろ?お前がオレを好きなのは」
「ふふっ、そうなのかな」
甘えた声で笑うから、流石に我慢できず唇にキスをする。柔らかなピンクの唇と、キスする瞬間色っぽく揺れるまつ毛に、ついつい夢中になってしまいそうになるが、触れるだけに留めてそっと離した。
もっと長いキスを想像していたのか、ナナはゆっくりとまぶたを開く。
「気持ちはもう落ち着いたか?」
「うん……さっきはいきなり帰ろうとしてごめんね」
「いちいち謝んなよ。付き合ってるからこそ、こうやって話し合うもんだろ」
「じゃあ…あの、ありがとう」
拙い返事だけど、気持ちは十分すぎるほど伝わってくる。安堵した表情でオレに抱きつくナナは、尻尾があったらさぞぶんぶん振ってるだろう。