第7章 ※なつき度MAX
またナナがいじけ始めた。
ったく、カッコいいグリーン様でいたいってのによ。上っ面な言葉じゃ恐らく納得してくれねーな。
ナナの頬に触れ、視線をぶつける。
「……話を聞いてから、助けたのがなんでオレじゃなくシルバーなんだってずっと考えてた」
「だからっ、それはグリーンの忠告を聞かずにひとりになった私のせい…」
「でもオレが守りたかったんだ!」
シルバーには感謝している。けどそれと同時に、役割を奪われた気がして嫉妬心が芽生えたのも嘘じゃない。
そしてオレ自身が、そんなガキみてーな感情に振り回されていることに何より驚いている。
「何が言いたいかっつーと、サンダースを守れなかったって後悔しているお前とオレは同じじゃねーか」
ぴくりとナナの肩が揺れた。
くそっ、オレ様にこんな恥ずかしい台詞を言わせたんだから、あとで覚えとけよ。
「でも、私は…」
「なんだよ。もっと言わないと伝わんないって?」
ナナはふるふると首を横に振ると、また胸に抱きついてオレのシャツを濡らした。
「私、がんばる。ブレイク団にもロケット団にも、WPMも負けない。守るために強くなりたい」
「なら、これからも一緒に特訓だな」
「………うんっ」
そう返し、オレの袖を小さくつまんでくる。そんな他愛のない仕草ひとつすら、かわいいなんて思ってしまうあたり、オレも相当重症らしい。
「ねぇ、私も調査手伝いたい。みんなの力になりたい」
……やっぱそうなるよな。分かってたけどよ。
「あのさ、お前は襲われたばかりだろ?」
と、たしなめると、しょんぼりしながらも反論してくる。
「でもパシオを守りたいもん。そのために特訓してくれるんでしょ?」
「そうは言ったけどよ……」