第6章 予選、野望、そして仲間
賑わう店内、私たちだけがぽつんと取り残されたような感覚。
沈黙の中、グラスの氷がカランと鳴った。
忠告を受けたのに言うことを聞かなかったのは私だ。何かあったらすぐに連絡しろとも言われていたのに。
迷惑をかけたくないし、心配もさせたくなかった。その結果、危険な目に遭ってしまった。
申し訳ない気持ちになり、恐る恐る口を開いた。
「グリーンの言う通りだった。もう人気がない場所にはひとりで行かないようにするよ」
元はと言えば、ブレイク団を倒せるぐらい私が強ければよかったんだ。グリーンやシルバーくんみたいに。そう思うと、また惨めな気持ちになってきた。
「ごめんなさい」
私の頭を、グリーンがそっと撫でる。
「オレの方こそ悪かった。怖い思いをさせたな」
「どうしてグリーンが謝るの?」
グリーンは何も悪くないのに。
「肝心な時にお前を守ってやれなかった。それに、ひとりになるのを最終的に許したのはオレだろ」
グリーンの瞳がどこか思い詰めたように揺らぎ、深いため息とともに項垂れる。
「…迂闊だった。オレが目立ったことしちまったから、ナナに目をつけていたんだろうな」
握り締めた拳は、行き場のない苛立ちを抑え込むように震えていた。
「お前が無事で、何もなくて本当によかった…」
叱られると思っていたのに、グリーンは自身を責め続ける。