第6章 予選、野望、そして仲間
「はしゃぐ気持ちはわかるけど少し落ち着け」
と言ってこんどはポテトで口を塞がれる。
「むぐ」
「で、どうやってあいつを口説いたんだ?」
頬杖をついたまま、グリーンが横でふわりと微笑む。その仕草にドキリとしつつ、ポテトを咥えたままガジガジ噛み、飲み込んでから口を開いた。
「口説いたというか、私がブレイク団に襲われた時にシルバーくんが助けてくれて、それで——」
「ブレイク団?襲われた?」
「あ……」
しまった、と思い口ごもる。どうして言うのを忘れていたんだろう。
「ごめん、言ってなかった」
穏やかだったグリーンの顔つきが変わる。姿勢を変えないまま、真剣な目でまっすぐ私を見つめてくる。
隠していたわけじゃない。でも、昨日のことを報告し忘れていたのは、無意識にグリーンに対する罪悪感があったのかもしれない。
「いつの話だ?」
「昨日、グリーンと別れた後……」
グリーンは一瞬だけ黙り込む。視線を落とし、感情を押し殺して言葉を探すように、間を置いてから質問を続けてくる。
「会ったことあるヤツらか?」
頷き、風車の町で会ったブレイク団だと答えた。それから矢継ぎ早にいろいろと聞かれ、サンダースも含めて手持ちのポケモンはみんな無事で、私も何もされなかったと伝える。
「そうか…」
言葉少なに呟くと、また黙ってしまった。