第6章 予選、野望、そして仲間
その日の夜、ようやくWPMに向けて進展があったので、早速報告をしたくてグリーンをごはんに誘ってみた。
グリーンは自身の修行に加え、トレーナーの育成や大会運営の手伝いなどもしていて忙しそうだったけど、時間を作って会いに来てくれた。
「マジかよ!シルバーを仲間にしたのか!やるじゃん」
賑わうカフェで会話が弾む。
「仲間じゃなくて知り合いだけど」
「どういう意味だよ?」
「だって、本人が仲間じゃないって言うから」
ふて腐れ気味に唇を尖らせて話すと、カウンター席の隣から手が伸びてきて、唇を指でつままれた。
「ひたい」
「ハハハッ!いじけんなよ。シルバーらしい返事じゃねーか」
「ひるはーくんらひいって?」
「シルバーは元々仲間と協力するタイプじゃない。一匹狼、孤高ってイメージがしっくりくるようなヤツだからさ」
「ここう…」
私もいつか、誰にも頼らず、甘えずにいられるくらい強くなれるだろうか。シルバーくんみたいに強い信念を持って、あきらめずに夢を追い続けて…。
唇をつまんだまま、グリーンはもう片方の手で頬杖をつく。
「そんなシルバーがお前と組むとはな。面白いチームになりそうだ」
と言ったタイミングで指がパッと離れたので、話したいことが口から一気に溢れ出す。
「あのねっ、ほんとにシルバーくん強かったの!ホウオウをバディにしててね、虹色の羽がとってもきれいでね、わざも戦略もすごくよく考えられててね!」