第6章 予選、野望、そして仲間
「………シルバー」
「しるば?」
振り向いて聞き返す。
「シルバー!オレの名前だ」
乱暴に吐き捨てて、不機嫌そうに目を伏せた。
「名前、勝てなかったのに教えてくれるの?」
そう彼に尋ねると、「負けてもないだろ」と呟き、苛立ちを抑え込むようにため息をついた。
「予選出るには、あとひとり探さないとな」
「あとふたりだよ。お互いにね」
「〜〜〜っ!だからっ、しょうがないから組んでやるって言ってんだよ!」
「いいの!?」
「お前とサンダースのコンビネーション、なかなか…悪くなかったしな」
褒められるなんて思っていなかったので、気恥ずかしくなって言葉に詰まる。
引き分けだったけど、実力を認めてくれたってことなのかな。チームを組んでくれるってそういうことだよね。
「ありがとう……ほんとにありがとう!」
まだ現実として受け入れきれないまま、ありったけの感謝を伝える。すると、シルバーくんの目つきがより一層キツくなった。
「フン、オレの足引っ張んなよ!」
と、語気を荒げてスタスタと歩き始めた。
「どこに行くの?」
「セントラルシティに戻るんだよ」
「一緒に帰っていい?」
「好きにしろ」