第2章 Ever green!①
グリーンはいつになく真剣な眼差しだった。見つめ合えば鼓動が高鳴る。
「なに渋ってんだよ!お前が!世界中の誰よりもグリーン様と組みたがってたから、こうして声かけてんのによ!」
「そんなこと言ってない!」
「またオレから逃げるのか?」
「それは…!」
グリーンの言葉にハッとする。
そうだ。さっき逃げないって自分で決めたばかりなのに!
「お前はなんのためにパシオに来たんだよ?」
そんなの答えはただひとつ。
「強く…なるため…」
「なら決まりだ」
グリーンが右手を差し出す。
もう逃げないという思いを込めて、その手を掴んだ。
恐る恐る握手を交わすと、グリーンの表情に笑顔が戻った。
「よろしくな。チームを組んだからには、お前を後輩じゃなく対等に扱うからな」
「対等」という言葉に、プレッシャーと共に嬉しさが込み上げる。
隣に並びたいと言った願いが一瞬で叶ってしまった。
「ま、かたっ苦しい大会じゃねーし、楽しもうぜ」
こくりと頷くと、グリーンは手を握ったまま勢いよく立ち上がった。
「んじゃ、さっそくトレーニング再開するか!」
手を引っ張られ、砂に足がもたついてグリーンに抱きつく体勢になってしまった。