第6章 予選、野望、そして仲間
「…ぅ、ぅ」
声すらも封じられ、睨みつけることしかできない。男たちがじりじりと距離を縮めてきた。スカジャンの男が、私を値踏みするようにじっと舐めるような視線を送ってくる。
「なぁ、よく見たらこのお嬢ちゃんなかなかかわいいよな?サンダースと一緒に攫ったら、グリーンの奴さぞ喜ぶだろうぜ」
「…!?」
「いい考えです。スリーパー、このお嬢さんにさいみんじゅつを——」
それは突然だった。
「やれ!」
視界が一瞬影に覆われたかと思うと、空から虹色の翼をはためかせ、巨大な鳥ポケモンが現れた。次の瞬間、目も眩むような光線が眼前から放たれ、瞬きの後には、スリーパーとワルビアルが地面に伏せていた。
「……一体、何が…?」
金縛りが解けて、砂浜にぺたりと座り込む。
「これからって時になんだぁ!?」
「何です!?何が起きたんです!!」
「全滅だぁぁぁ!!」
口々に狼狽えるブレイク団の後ろから、人影が近づいてくる。