第6章 予選、野望、そして仲間
耐久力の低いサンダースは、すばやさで先制を取り短期決戦で決める。毎日グリーンと、様々な編成を想定してロールプレイングしてきた。でも、はじめから1対3は想定外。果たして、私たちだけで通用するかどうか…。
「さいみんじゅつだ!」
スリーパーが仕掛けてくるけど、サンダースは眠らない。術をかけようとした隙を見計らい、攻撃を繰り出した。
「エレキネット!」
蜘蛛の巣状の電撃が3匹を捕らえる。しびれで動きを鈍らせて、さらにサンダースのスピードと差をつける。
「くっ、この前は戦いに参加しなかったから雑魚だと思ってたのに」
スーツの男が歯噛みする横で、スカジャンの男がフワライドに命令する。
「シャドーボール!」
エレキネットのダメージのおかげで、フワライドは照準を合わせるのが少し遅れた。サンダースは、目にも止まらぬスピードでシャドーボールをかわす。
「サンダース!ほうでん!!」
3匹に激しい電流が襲う。スリーパーは片膝をつき、フワライドは倒れて戦闘不能になった。
「クソッ、これだから盗んだ使い捨ては役に立たねぇ」
フワライドのトレーナーが吐き捨てるようにそう言った——刹那、血が沸騰するような感覚が身体を駆け巡った。