第6章 予選、野望、そして仲間
「ね、ポリゴンフォン…通知、きてる」
「そうだな」
「見ないの?」
「あとで」
「でも大事な用事かも」
「オレが満足したあと見るよ」
って、そんな抽象的な言い方ある?長い間拘束され、こんなところ人に見られたらたまったもんじゃない。
「だめ!今見て!」
少し声が大きくなってしまい、ピジョットとサンダースが驚いた様子でこちらへ振り返る。けれど、すぐに何事もなかったかのようにそっぽを向いた。
(ポケモンに気を使われている!?)
2匹は海を眺めながら何やら会話をするように鳴いている。いつの間にか、おはなしするほど2匹の距離が縮まっている?
「もうっ!ピジョットとサンダースがおともだちになる瞬間を見届けたかったのにっ!グリーンに邪魔された!」
「そうやって、ワザとムードをぶち壊して逃げようとしてんだろ。その手にはのらねーからな!」
「ワザとじゃないっ!ほんとーっに見たかった!」
「うるせぇ」と言いながらお腹をこちょこちょしてきたので、たまらなくなって身をよじる。
「やめてっやめてってば!アハハハッ!!」
「このままお前が謝るまでやめないからな」
「なんで悪いことしてないのに謝らなきゃ…あっ、そこだめッ!キャハハハッ!」
「くすぐったいとこは開発できるらしいから探しまくるか」
「なんでっ、すぐそっちに話持っていくのっ!へんじん!」
「変人はくすぐって感じてるお前だろ」
指先が、首筋から鎖骨のあたりを撫で回してくる。ゾワゾワする感覚に肩をすくませた。
「感じてっないぃひひひ!やだやだエヘヘッ!」
「お前っハハッ!なんだよその変な笑い声!ここはどうだ?」
「ふふっアハハッ!じゃあ私だって…」
「あのぉ、お取り込み中ごめんね」
「「!!」」
即、同時に飛び起きた。