第4章 俺が想いを伝えた時の話
「………う、嘘だぁ。」
「……!?」
____しかし、どうしても信じ難い。
「ひ、酷い!!人の一世一代の告白を!!」
「え、あ、ごめんっ!!あの俺っ!!!」
嬉しい。そんな気持ちは当たり前にある。けれど、の横にはいつも悲鳴嶼さんや兄ちゃんが寄り添っていて、その姿は正にお似合い。
強い者同士、いもしれない絆のような何かがそこにはあって俺なんて横に並べる気がしないんだ。
「ふっ、ふふっ。まあ玄弥君らしいか。
そういう所も大好きだよ。…凄く好き。」
けれど、この困った様な笑い方をするがこんな嘘をつくともどうしても思えない。
「か…揶揄ってねぇ?」
残る可能性はタチの悪い揶揄いなのだが、そんな事優しいがするだろうか。
そう思い困惑している俺を見てため息をついたは口を尖らせて不満気に呟いた。
「あのねぇ、想い人以外の男の人を混浴の温泉に誘うだなんてことしないよ。そんなに軽そう?」
「んな事ねぇ、けど。…だって、何で。」
鈍感ではあるが、軽いそうでは無いし人の気持ちを弄ぶ人間では無いのは百も承知だ。
それでも、俺の事が好きな理由が分からずに困惑し続ける俺にはクスクス笑った。
「…世界一、優しくて可愛から。」
「な、なんだよ。俺は男だぞ?」
「ただ単純に誰よりも愛しいんだよ。
傍に居たい事に理由なんている?」
「…要らねぇ、のかも、しれねぇ…。」
こんな厳つい人間を可愛いという神経は理解し兼ねるが、確かに理由なんて要らないのかもしれない。
「俺…どんなも傍で見てぇ…。」
どんな所も愛しいと思うから、好きなんだ。露天風呂で思った自分の感情と同じ理由の好きに。何となくやっと納得した。