第4章 俺が想いを伝えた時の話
「犠牲は必要なの。…どうしてもソレが必要なら、私がソレになって…皆に、生きて欲しいよ……。」
「何でそんな事言うんだよ、辞めてくれよ。」
俺が耐えきれずそう言うとは真っ直ぐ前を向いたまま__ボロボロと大粒の涙を流し始めた。
「…守れなかった…っ。」
小雨の様な濡れた声が静かな露天に響く。
「…隠の…子で…。隊士の治療中…隠れてた鬼にやられて……っ、私。慌てて頚を切ったのに…。」
この前、は珍しく血塗れで帰ってきた。
その時の事なんだろうと何故かすぐに分かった。
「ねぇ、何で私が生き残ってるの…っ…。」
の苦しそうな声にやたらと息が詰まる。
「こんなに強くなったのに…っ…。何も守れないのにっ………何で私が……生きてるの……っ。」
俺はその声に耐えきれずある提案をする事にした。