第4章 俺が想いを伝えた時の話
「混浴に男と一緒入るつもりだろ!!」
「え、だ、だから混浴なんでしょ?」
ほら、予想通り。
男と一緒に湯に浸かるつもりだったんだ。
流石に俺はソレを阻止しなくていけない。
「お、俺が行く!!俺が行くからやたら男を誘うんじゃねぇっ!!分かったか!この痴女っ!!!」
「ち、痴女!?…え、けど行ってくれるの?」
「だって俺が行かなきゃ…他誘うんだろっ!!」
【好きな女が他の男と湯に浸かる。】
そんな状況だけは何としてでも回避したいと必死な俺を気にもせずは心底嬉しそうに飛び跳ねた。
「やったーっ!!じゃあ支度してくるっ!!」
「へ?………い、今から行くのか!?」
「勿論!(やった!大成功だよしのぶっ!!)」
「お、おい!!?」
こうして俺は、想い人であると2人きりで混浴の温泉旅行に行くことになった。
そしてコレが偶然なんかではなく、が必死に任務の調整までして引き起こしてくれた可愛らしい奇跡だと、俺はずっと知らないままだった。