第3章 私の大切な継子の話
「カナエは、鬼とも仲良くしたいそうだ。」
きっと同じなのだろう。私は素直にそう思った。優しすぎて本来抱え無くてもよい葛藤を抱えるだろう。それでも立ち止まらず歩く。そんな強く、諦めの悪いカナエを思い出しているとはすんなりとソレを否定し始めた。
「うーん、それはまた違います。」
何が違うのか、と耳を傾けているとちょこんと立ち上がったが出会った時と同じように私の懐に飛び込んできた。
「カナエさんの考え方は否定はしません。…けれど私はそんな事を掲げていられるほど、強く出来ていないです。鬼に喰われたかった、なんて事思うくらいですから。」
初めて私に殴りかかった場所と同じところを_コツンコツン。と優しく拳で叩きながらそう言うをあの日のように腕の中へ閉じ込めた。
「私を…憎らしいと思うか?」
あの日、あのまま殺されていた方がは幸せだったのだろうか。此方の地獄へ引きずり込んだ私をは恨んでいるのだろうか。何故かソレがやたらと怖く感じた。