第3章 私の大切な継子の話
「こ、胡蝶……しのぶです。初めまして。」
「わぁ、大っきい目ん玉だねぇ。」
「…え?」
行儀よく挨拶をしたしのぶに素っ頓狂な事を言い放ち、頬に米粒をつけ首を傾げたに私は頭を抱えた。
「…、まずは挨拶をしなさい。」
には何から何まで教えなくてはならない様だ。しかし幸い、【挨拶】という物は知っていたらしいは『はっ!そうですよね!』と閃いたような顔をしてから米粒だらけの右手を勢いよくしのぶに差し出した。
「…です!…よろしく!」
「え、えぇ。よろしくお願いします。」
「…………手を拭きなさい。」
この米だらけの手のどこを握れば…。と苦笑いしているしのぶをカナエが後ろから_フワリ。と包み込みの米だらけの手を躊躇なく握る。
「ちゃん、私は胡蝶カナエって言います。仲良くしてもらえると嬉しいなぁ。」
握られたカナエの手を数秒見つめたはカナエに返答もせず私の方へ首を向けて心底不思議そうな顔をした。
「悲鳴嶼さん。ここは天使ばっかりを集めているんですか?」
「……今度は何を言い出すんだ。」
いったい何を言い出すのか…。と驚愕する私には_へへっ。と照れくさそうに笑って鈴のような声で珍味な発言の説明を始めた。
「2人ともとっても可愛いです。私、こんな綺麗で可愛い物、1度だって見たこと無いんです!!」
可愛らしいその姿にその場がフワリと明るくなった。なんとも的外れの発言だが【汚れ】という物が全くない。そんな雰囲気の笑顔と声だった。