第3章 私の大切な継子の話
□手のかかる笑い上戸
「こ、こんなにいっぱい!?」
「こら…、落ち着きなさい。」
私の昨晩の心配は無用な様で、何故か_ケロっ。とした顔で起きた少女は自分の名をと教えてくれた。
「…こ、コレを!!食べていいんでしょうか!!」
「良いから出しているんだ…。」
目の前の朝食は決して豪華では無いのだが、にとってはご馳走らしく目がキラキラと輝いていて、酷く興奮していた。
しかもあろう事か、ソレを素手で掴んだのだ。
「ま、まて!!箸を知らぬのか!?箸を使いなさいっ!!!それからいただきますと手を合わせて…こら!聞いているのかっっ!!」
慌てて手を掴むとは目を丸くして_コテンッ。と不安げに首を傾げる。
「………わ、私が、この箸を使っていいんですか?」
「使って良いからそこに置いてあるのだろう…。」
この娘は何を言っているのだろうか。先程から入口付近でこちらの様子を伺っているしのぶが口角を引くつかせるのも無理も無いことだろう。
「ひ、悲鳴嶼さんが子育てしてる!?」
「うふふっ、ほらほらぁ。ご挨拶して?」
カナエに背を押されの前に立ったしのぶは、戸惑いながらもゆっくりと挨拶をした。