第2章 私が貴方を好きになる迄の話。
「お互い、半端な気持ちじゃないんだからさ。」
生半可な気持ちでは無いから。
いくら仲良くして欲しくても
ソコには踏み込んではいけないんだ。
そんな私にしのぶは今日1番優しい笑みを浮かべた。
「私、のそういう所がいっとう好きです。」
「…………そういう所?」
しのぶの優しい言葉に息が詰まる。
「私の事も、止めたりしないでしょう?」
本当は、『辞めて欲しい』と言ってしまいたい。
それでも、それは出来ないから私はニヤリと笑った。
「止めていい?」
「止める気は無いでしょう?」
お互いそれが信頼の形だと分かっているんだ。
それに、私も人の事を言える立場でも無いことは明確。
「……うん。覚悟を履き違えたく無いからねぇ。
私も人の事を言えるタチじゃ無いし。」
「相手が悲鳴嶼さんですもねぇ。
自殺行為もいい所ですよ。
……まぁ、止めないですけど。」
しのぶはカナエさんの仇を。
私は悲鳴嶼さんを命に変えても守りたい。
そんな想いを生きる核にしている私達は、
良くも悪くも足並みがピタリと揃っている。
「……しのぶとはずっとは対等でいたいんだよ。」
「私も、そうありたいと思っていますよ。」
だから、色恋事なんかで足並みを乱すことはしたくない。しのぶの隣も私は守り抜きたいんだ。
私達は笑い合って、たまにこうやって確認する。