第2章 私が貴方を好きになる迄の話。
「可愛い!凄い可愛い!私の弟弟子可愛い!!」
「…な、なんだよ!何がしたいんだよ!」
文句を言いつつも
私を落とさない様に支えてくれる玄弥君は
本当に可愛くて優しいと思う。
「この後鍛錬出来るよね?」
「………お、俺は今任務から帰ったんだぞ!?」
「格好見て分からない?私もだよ。」
「………やります。やるよ!分かってるよ!!」
「そうこなくっちゃ!今日は悲鳴嶼さんいないから
先生の特別鍛錬ですっ!!!」
「………あぁ、もう始める前から吐きそう。」
そんな会話をしながら歩みを進めていると、
いつの間にか玄弥君の瞳は元の優しい色に戻っていた。
「ふふっ、やっぱりこの目の方が好きだな。」
「……な、なんなんだよ!!もう辞めてくれっ!!」
耐えきれず駆け出した玄弥の背に言葉を投げかける。
「一刻経ったら始めるからねーっ!!」
「あぁもうっ!!わかってるよっっ!!」
そんな後ろ姿がどうしても好きで、
私もゆっくりと彼の後を追った。