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【鬼滅の刃/不死川兄弟】紫苑ノ端唄【原作沿い】

第2章 私が貴方を好きになる迄の話。



◆◆◆◆◆
そして次の日の朝、初めて玄弥君と会った。

「し、不死川、玄弥です…。」
「(確かに、実弥さんにそっくり。)」

よく熟れた林檎のような真っ赤な顔の男の子が
ガチガチになりながら私に挨拶をしてくれた。

「………ぷっ…。」
「……!?(笑われたっ!!)」

どうやらこの玄弥君という男の子は
とても照れ屋でわかり易い
なんとも可愛らしい性格のようだ。

「はじめまして!私は!
ふふっ、ついに初めての弟弟子かぁ。」

新しい弟弟子は話すのが苦手らしく、
仲良くなるまで割と苦労したのをよく覚えている。

「今日は暑いねぇ…。」
「…そうッスね……。。」

話を振っても一言で終わり。
それでも何故か横から居なくならない彼に
私は茶化すように顔を近づけた。

「…ねぇ、歳は同じでしょ?
敬語も敬称も要らない。もっと気楽位に行こうよ。」

「…う"っ…。い、いや、それは……。」

顔を近づけてすぐ、
少し引いて吃る姿が可愛らしくて
私はクスクス笑った。そんなに恥ずかしいのなら
言い訳をつけて逃げてしまえば良いのに、
やっぱり彼はココに居るのは嫌ではないらしい。

「ふふっ、出来ないの?ねぇ、恥ずかしい?」

私がそうからかうと沸騰したように赤くなった彼は、
ここに来てから一番大きい声で叫び出した。

「…う、うるせぇなぁっ!!出来るわぁ!!」
「くくっ、その顔実弥さんそっくり。可愛い。」
「か、可愛いとか男に使う言葉じゃねぇだろ!」
「だって、可愛いものは可愛いんだよ。」

そしてこの日、玄弥君が癇癪持ちだと初めて知った。
大変だったんだ、とっても。

噎せるまで同じ声量で真っ赤な顔で怒鳴り続け、
止めても全然とまらなくて。

私はそれ見るのが何故かとっても楽しかった。
私の弟弟子は、何故かやたらと母性本能を擽る。

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