第6章 カフェでの出会い
「騒がしくて申し訳ない…。あれでもアメジスト寮の寮長なので、もう少ししっかりしてもらいたいものです」
苦笑いしながらそう言う保坂に二人とも笑ってしまった。
「寮長さんなんですね」
「そうですよ。七瀬くんとは大違いです」
咄嗟に七瀬の名前が出たことに四季は驚き、固まった。
「そういえば今日は七瀬先輩はいらっしゃらないんですね?」
四季の動揺を知っていて海藤は七瀬の話題を続けた。
「えぇ、彼も寮長とこちらの掛け持ちですからね…頻繁にという程ではないんですよ」
「そうなんですね」
「ここのカフェに所属している生徒は20人以上いますからね…学校のことで分からないことがあれば、遠慮なく色々聞いてみてください」
「ありがとうございます」
「では失礼しますね」
話し終わると保坂は先ほどいた受付の方へと戻って行った。
「お待たせしました」
保坂が戻ったのを見計らったかのように中谷が席へと水とおしぼりを持ってきた。
「すみません…どうも新入生を見ると衝動的に勧誘してしまって」
「大丈夫ですよ!」
海藤がそう答えると、四季も疑問に思ったことを尋ねてみた。
「化学部なんてあるんですね」
あまり聞いたことのない部活動に純粋に興味を持ったのである。
「興味ありますか!?簡単な化学実験だったり、興味のあるテーマを調べたりするんですよ」
笑顔で話す中谷に四季は可愛らしくも思えた。瞳がキラキラと輝いているようにも見えたのである。
「化学…好きなんですね」
「えぇ!大好きです」
「私も得意ではないですけど、化学式とかは面白くて好きです」
「四季ちゃん、理系好きだったんだ?」
「うーん…英語とか文系科目と比べるとだけどね」
会話を聞いていた中谷は嬉しそうに四季を見た。
「俺も同じで文系は得意じゃないんだ。気が合いそうですね?えっと…名前教えてもらってもいいですか?」
「えっと…関谷四季です」
「君は?」
「海藤明日香です」
「四季ちゃんに明日香ちゃんね!覚えとくね」
中谷は笑顔でそう言うと、他のスタッフに呼ばれ、奥へと戻って行った。