第6章 カフェでの出会い
海藤は有言実行と言わんばかりに、佐原がカフェにいることを知って以来2週間、男子寮のカフェに入り浸っていた。同じように四季も入り浸っていたお蔭か、スタッフに顔と名前が覚えられていた。
「いらっしゃいませ!」
そう言って声をかけてくれたのは中谷だった。一番遭遇することが多く、二人は昨日も会ったこともあり苦笑いをしてしまった。
「毎日のように来てすみません」
「いえいえ、二人に会えるのは俺も楽しみだからさ。で、こんなに来るってことは目当ての異性でもいるの?」
コソコソと中谷はそんなことを聞いてきた。確かにここまで常連と化していればそう思うのは当たり前なのだが、四季は自分のことを見透かされているような気がして顔が赤くなるような気がした。
「そうなんですよ!でも誰かは内緒ですよ!」
海藤があっさりそう言うと、中谷は納得したように二度頷いた。
「やっぱりそうだったんだ!…四季ちゃんも?」
不思議そうな表情で顔を覗き込まれ、四季はブンブンと首を振った。
「そっかぁ……じゃあ、俺を目当てで来てくれると嬉しいな」
「中谷先輩にお会いできるのは嬉しいですよ!」
笑顔で四季がそう答えると、中谷は苦笑いをしながら、違うんだけどなぁ…と呟いた。
男子寮のカフェに良く来るようになって以来、中谷とは選択授業の相談や化学の話を聞くのが四季の密かな楽しみでもあった。
色々と悩んだ末、四季も海藤を部活動には入らず、男子寮のカフェで勉強をしたり、分からないことがあれば中谷や保坂に教わったりする日々を過ごしていた。
「うーん、大丈夫、急かすつもりはないから」
爽やかに笑う中谷の表情に四季は軽く首を傾げていた。
「??」