第6章 カフェでの出会い
「中谷先輩かぁ…理系科目で分からないことあったら聞いてみよー!あ、でも四季ちゃんに聞くのでもいっか?」
笑いながらそんなことを言う海藤に四季は慌てて首を振った。
「そこまで私、出来るわけじゃないからね」
そんな他愛のない会話を楽しんでいると、注文していた飲み物を中谷が運んできた。
「話の邪魔しちゃってごめんね。飲み物お持ちしました」
「ありがとうございます」
中谷はちょうどすることもなかったようで、そのまま話し始めた。
「二人は部活とか考えてるの?」
「部活動はどうしようか迷ってるんですよ。私はガーデニングの活動もあるし、四季ちゃんもカフェあるもんね…?」
「そうなんですよ…なんだかたくさん所属して中途半端になるのも嫌で…」
「もう二人とも活動は決めてあるんだね。でも、忙しい部活動を選ばない限り両立は難しくないと思うよ」
それに…と中谷は続けて話した。
「完璧に両立出来ているかは分からないけど、俺も部活に寮長にカフェだからね。そんなに難しくはないと思うよ。まぁ、急いで決めるものでもないし、ゆっくり考えるのが一番だよ」
中谷がそこまで言うのならば確かに両立も出来るかもしれないと思っていると、それに気づいたのか、
「考えた上で化学部に入りたいと思ったらいつでも言ってね!」
ちゃっかり勧誘も付け足してきた。
「はい」
その後は海藤と四季は今後の見学をどうしようかと相談を始めた。そんな時、ふと海藤がカフェの奥の方へと視線を向けた。
「あ…」
「どうしたの?」
海藤の驚いたような声に、四季は海藤の視線の先を追った。
「佐原くんが来てたからびっくりして…」
「本当だ、あれ?でもお客さんじゃないのかな?何か説明受けてるね」
カフェの奥、保坂が佐原に対しカフェの案内をしているように見えた。
「もしかして、男子寮のカフェ活動に参加するのかな?そうだったら、私常連になる」
冗談っぽく海藤がそう言った言葉は冗談ではなかったようで…説明が終わったのかカフェの制服を受け取る姿を見て、
「やっぱりカフェの活動するみたいだね」
「よし!四季ちゃん、うちらここの常連になろう!」
決心したような強い口調で海藤はそう言った。