第40章 好きな人だったら、俺にもいんよ
私の心配をよそに、撮影は順調に進んでいった。
5人は楽しそうに談笑しながら、串に刺さった野菜や肉を焼く。おそらく初公開であろう内容のトークや、TRIGGERとMEZZO"が初めて共演した時の話が飛び出した。
和気あいあいといった様子がカメラに収まり、私も胸をなで下ろす。
そして 焼けた肉を、立ったまま食す。これぞ、アウトドアならではの画である。
無事に撮れ高がいくと、監督が撮影を止める。環はまだ食べ足りないようだったが、意外とあっさり串を置いた。
後でお腹いっぱい食べられると、事前に説明していて良かった。
その後、撮影はいよいよエンディングトークへと入っていく。
また天を真ん中にして、5人は席に着いた。
「では、いよいよ結果発表です」
「へ?結果発表?なんの?」
「僕達とTRIGGERさんの対決のだよ!」
「四葉じゃないが、俺も忘れかけてたぜ…」
「あはは!勝負を忘れちゃうくらい楽しんじゃったもんね」
再び進行役を務める天が、言葉を続ける。
「火起こし対決は、MEZZO"が勝利。豚を捌く対決は、引き分け。そして料理対決は、TRIGGERの勝利。
と、いうわけで…今回は、引き分けとなりました」
「え!!料理対決、僕達負けていたんですか!?」
「って!まさかの驚く所そこかよ!!」
「あれで勝ったと思ってたのか…なんてーか、やっぱ そーちゃん、やべーのな」
「そうかぁ。引き分けか…まぁでも MEZZO"の2人と色々と話も出来たし、俺は凄く楽しかったよ!」
「あぁ。また遊びに来いよな!それで今度こそ、白黒はっきりさせようぜ!」
「俺もすげー楽しかった!!また出たい!」
「僕も、本当に幸せな時間を過ごせました。ぜひ、またお邪魔させて下さい。ありがとうございました!」
皆んなのコメントが出揃ったところで、天が締めに入る。
「残念だけど、この辺りで時間が来ちゃったかな。皆んな、満足してもらえた?
じゃあ、来週もまた…」
「「「「「TRIGGER といっしょ」」」」」
最後は5人で この台詞を言って、撮影は終了となった。