第39章 組み紐をひいたのは
数日後、新番組についての詳細説明が行われた。その場には私を含め、TRIGGERメンバー。そして構成作家と撮影スタッフ、さらに制作会社と揃い踏みだった。
その初回の説明会を経て、調整や確認を繰り返すこと約1ヶ月後。ようやく宣伝ブイの撮影まで漕ぎ着けた。このVTRは、第1回放送の1週間前に流される。いわゆる、番宣というやつだ。
そして、今日がその宣伝ブイの撮影日である。
「テレビをご覧の皆様。こんばんは。いよいよ来週から、ボク達の新番組が始まります」
「俺達のファンでいてくれてるお前らと一緒に作っていくってコンセプトの番組だ。勿論、楽しみだよな?」
「俺は凄く楽しみ。素敵な番組にする為に 皆んな、協力よろしくね」
3人の挨拶が終わったところで、早速 番組名の発表となる。
「皆んなと一緒に楽しむ、TRIGGERの新番組。
番組名は その名も…」
「「「TRIGGER と いっしょ」」」
声を揃え、眩しい笑顔が弾ける。きっとテレビで流れる時には、番組名のテロップが大々的に表示されている事だろう。
「俺達の番組にしては、名前が少し可愛いよね」
「分かりやすくて、ボクは気に入ってるよ」
「で、実際にどんな番組なのかってーと…。天、説明よろしく」
天は、進行用のフラットファイルに視線を落とした。
「この番組は、ボク達TRIGGERの “ こんなところが見たい ” や “ あんなことをして欲しい ” という、ファンの声にどんどん応えていこう。というコンセプトで動いていきます」
「それを聞くだけでも、とても楽しそうで やりがいのある番組になりそうだね」
「具体的に、俺達はその声にどう応えていくんだ?」
「基本的には、投票で1位になったお題に沿う形になるらしいよ」