第4章 …ねぇ。もしかして、泣いてる?
照明が俯いて、佇む彼らを照らす。
曲の第一音が訪れると同時に、3人は顔を上げ その瞳を開ける。
あぁ、会場全体が、彼らの声を待っているのが分かる。
楽
「少しでも視線を逸らすのも許さない。
他の男を選ぶつもりなら
俺の腕の中に閉じ込めてやる」
天
「君の答えはそう、
もう決まってるでしょ?
間違いじゃなかったと思わせてあげるから」
龍
「未体験を君にあげる。
心臓揺さぶられるような恋を さぁ
俺と体験しよう。今すぐに」
All
「2度と離れないように用意した鎖。
いつまで悩んでるの?
さぁ早く手を取って。
さぁ思うまま駆け出して。
分かってる。君が掴むのは」
天
「ボクの」
楽・龍
「俺の」
All
「差し出した手」
スポットライトが、星みたいで。
キラキラ、キラキラと。彼らの上に降り注ぐ。
観客も、審査員でさえ。彼らがステージ上で輝くのを目で追う以外許されない。
それくらいの、TRIGGERの引力。
気を抜かれると、全部持っていかれそうだ。
私は自分を守るみたいに、自分の体を抱き締めた。
たしかに、この曲を作ったのは私だ。
でも、もうこれは…TRIGGERの歌だ。
3人以外が歌う事を許されないような、3人だけのもの。
Black & Whiteの副タイは、“ 白黒つけようぜ ”
3人の男達が1人の女性を奪い合い。彼女のハートを射止める為に、まさにタイトル通り 白黒付けるのだ。
でも、この曲を聴いた観客の女性達は…
果たしてこの最強に魅力的な3人の中から、たった1人を選ぶ事なんて 出来るのだろうか。