第30章 あなたの夜のお供に♡モモちゃんでーす
“ 接待 ”
客をもてなすこと。
“ 接待 ”
TRIGGERのプロデューサーである、私の仕事。
その接待にも、色々と種類がある。
やはり1番多いのは、酒の席での付き合いだろう。
「よっ!相変わらず良い飲みっぷり!」
『あははは!まだまだ飲みますよー』
そしてゴルフ。
「ナイショ!いいね!」
『いやぁ、今のは運が良かっただけですよ!』
それに麻雀。
『あ!来た来たぁ!ツモです!6000オール』
「またかよぉ!ヒキ強過ぎ!」
様々な分野のお遊びで、私はスポンサーを楽しませるのだ。そして、それらの場面で共通している事。それは…
その遊びを極めれば極めるほど、あえて “ 下手くそ ” を演じる事が出来る点だ。
飲み会にしても。
『うぅ…もう、飲めません…、やっぱり、監督には 敵いません〜』
「がはは!君もまだまだだなぁ!」
酒豪を豪語する相手に、飲み比べで勝ちを譲れるし。
ゴルフにしても。
『あ、やば!』
「おっと、そのコースは!?」
『やっちゃいました、バンカーですね…』
わざとバンカーを狙ってショットを決め、勝ちを譲れるし。
麻雀にしても
「はい来た!それロンだよ!」
『え!!うわやっちゃいました、飛びです…』
わざと相手に振り込んで点棒を操作し、勝ちを譲れるのだ。
最初はあえてこちらが勝っておいて、その後に相手に逆転してもらう。これが、相手に1番気持ち良くなってもらえる一連の流れ。
そう。接待においては、自分の “ 楽しい ” など
一切 必要ないのである。