• テキストサイズ

引き金をひいたのは【アイナナ夢】

第4章 …ねぇ。もしかして、泣いてる?




———翌日、車内


「って…昨日はあんな可愛い事言ってたくせによ!!」

「1人で先に会場行ってるなんて」はは…

「まぁ、普通はアイドル置いていかないよね」

「拗ねないの。アンタ達ねぇ、春人ちゃんが何時に出てったか知ってるの?5時よ5時。私なら絶対に前乗りしちゃう」

「いや、それだけ早いんだったら前乗りしろよ。まじで…」

「楽、分かってないわねぇ。多分あの子は、前日ギリギリまでアンタ達と居たかったんじゃないの?
昨日何か、大切な話したんでしょうが?」

「…じゃあ、なんだ…。アイツは、昨日俺達と話をする為にわざわざ会社に残ってて、前乗りしなかったのかよ」

「多分ね」

「「「………分かりにくいな」」」





『へっくしゅ』


懐からハンカチを取り出して口元にあて、小さなくしゃみをひとつ。


現場に到着した後、音響や照明スタッフとの打ち合わせ。ステージのチェック、挨拶回りはおおかた終わらせた。

後はメンバーと合流して、スポンサーへの挨拶を…。あ、衣装も箱から出しておかないと。


やらなければならない事を頭の中で整理しながら、テキパキと体を動かす。


『…よし』


1人1人の衣装を、丁寧に箱から取り出してハンガーにかける。

キラキラと輝く衣装を前に、目を瞑ると…容易に想像出来る。
これを身に纏って、歌い踊る彼らを、観客が見上げる姿。
誰もがTRIGGERの一挙一動に目を凝らし、完全に虜になる。


そして…トロフィーを手にする3人の笑顔が。

/ 2933ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp