第27章 ワタシのガールハントセンサーも鈍ったモノです
「ヤマトなら、仕事から帰ってからずっと、部屋に引きこもってますよ?」
『え?体調でもお悪いのですか?』
「腰がイタイと嘆いています」
『っぷ』
「中崎さん?」
予想外だったナギの言葉に、思わず吹き出してしまった。
やはり、一晩に3回は過酷だったのだろう。今朝は平気そうな顔をしていたが。もしや痩せ我慢でもしていたのだろうか?
『いや、失礼しました。何でもないんです』
「まったく。腰を痛めるなどと、ヤマトもまだまだです。
腰は男の命だと言うのに!」
「六弥さん、そういう下品な話は控えて下さい」
「WHAT'S?下品な話などしていません!捉え方次第なのでは?
ふふふ…ワタシ知ってます。イオリのようなヒトの事を、ムッツリスケベと言いますよ」
「なっ!わ、私はムッツリでもスケベでもありません!」
『まぁまぁ。六弥さん、和泉さんはまだ思春期ですよ。自分の事をスケベだと開き直るには、まだ若いんです』
「ちょっ、あなたまで何を言っているんですか!」
「OH!春人氏は意外と話が分かる男ですね!そうです。男は全員スケベなのです!もちろんワタシもスケベですよ!」
『私もスケベです』
「もうやめて下さい!!あなたのイメージが崩れる!」
思いの外、彼らとの会話が楽しくてノリノリで話し込んでしまった。
そろそろ大和部屋へ案内して貰おうと思ったのだが、ナギはどうやら まだ私に話があるようだ。
「ミスター春人。昨日も言いましたが、ワタシはアナタを誤解していました。
今までの非礼を、どうか 謝らせてもらえますか?」
『何も気にしていませんよ』
たしかにナギは、私に対しては敵意を見せる事が多かった。
それなりに無害そうに見えていたのだが、私だけには違ったのだ。
「贖罪の意味も込め、これからはアナタの事を…えりりんと…呼ふ事も…っ、やぶさかでは ありません…っ」くっ
『私がやぶさかです。おやめください』
「なぜ中崎さんの事をえりりんと呼ぶのですか?」
「以前、タマキが彼の事をそう呼んでいましたから。
言わなくてもワタシには分かります。アナタは、魔法少女まじかる★えりりんに憧れているのでしょう?」
『憧れてませんので、おやめください』たまたまあのアニメの主人公と名前が同じだけ…