第25章 その綺麗な顔が、どんなふうに歪むのか
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唐突に、大和は終わりを迎える。
「っっく、〜〜っう、」
私の肩に両手を置く。そして、下へ力を加える。それと同時に、より一層 陰茎を深く深く突き刺した。亀頭部分が、届いてはいけないところまで届いてるような、そんな感覚。
あれだけ激しかった大和の動きが、ピタリと止まる。
眉間に深いシワを作って、歯を食いしばり小さく体を震わせた。
私は息を整えながら、今まさに達している彼を冷静に観察する。
中では、彼の分身が ビクビクと脈打っている。そして最も奥で、たっぷりの欲を放ったのだった。
「本当に申し訳ないです」
『べつにー?酷くしていいって、ストレス解消していいって言ったのはー、私の方だしー』
「あー、だからごめんって。反省してますって。
いやまじで…あんなふうにするつもり、なかったんだよ」
『……じゃあなんで、あんな事になっちゃったの?』
それは—と、大和は答えにくそうに鼻の頭をかいた。
明らかに、余裕のないセックス。いや、あれはもはやセックスと呼べるのかも怪しい。
ただ自分の欲望のままに感情を爆発させただけだ。
私が じっと見つめると、彼は降参したように言った。
「…だから、その…。ちょっと、嬉し過ぎて」
『……うん?』
「あんたが “ 俺が欲しい ” なんて、言ったもんだから」
『え?それ、だけ?』
「〜〜っ、あぁ そうだよ!たったそれだけの事で、頭のネジがどっかに弾け飛んでったんだよ。理性ってネジも同時にな!
まぁとにかく、悪かったな」
照れる顔を隠すように、大和はそっぽを向いた。なんだかその表情が可愛くて、珍しくて。
彼の顔に眼鏡が無いのをいい事に、私は執拗に見つめる。
「多分、あんたには分からないだろうな。
“ 親父 ” でも “ 金 ” でも “ 権力 ” でもなく…
ただの、二階堂大和が欲しいって。そう言って貰えた時の、あの衝動は」