第15章 俺…もしかしたら…、ホモなのかもしれない!
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まるで、偽りのない私自身を求められたような気持ちになって。正直言って戸惑った。
でも。そんな彼にこそ、触れたいと思った。
『…十、さん』
いつも通りそう呼んで、顔の輪郭に 優しく指を滑らせる。上気した頬は、驚くほどに熱い。
『触りますね』
言葉遣いも、彼の要望通りにそのままだ。
横たわる龍之介が頷くのを確認してから、苦しそうに張り詰める下半身を解放すべく手を伸ばす。
慣れた手つきで、片手でベルトを外し。ズボンと下着を下ろしてやる。すると、硬くそり立つ陰茎が飛び出した。早く触ってくれと言わんばかりに、透明の雫を垂らしながら天を向いている。
「っ、」
恥ずかしそうに顔を背けようとしたので、顎を捕まえて 唇を合わせる。
「ん、…っ、」
甘い。そう錯覚すら覚える、官能的なキスを交えながら。右手は休めない。
手をパーにして、ゆっくりと円を描くように、手の平で亀頭を刺激する。すぐに手の平は、先走りの汁でぬるぬるになる。
「っふ、ぅ、…!ん、」
唇の隙間から、くぐもった声が漏れる。
ビクン。ビクンと頻繁に揺れる肉棒を、軽い力を込めて握り込む。そして初めは、ゆるゆると緩やかなスピードで扱いていく。
すると、くちゅくちゅと卑猥な水音が静かな部屋に響いた。
「っ、く、」
龍之介は快感に抗うかのように、手をギュッと握り込んでいる。
『気持ち良い、ですか?十さんの…凄く熱くて、硬いですよ。
これからもっと…気持ち良くしてあげますね』