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引き金をひいたのは【アイナナ夢】

第116章 心、重ねて




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私達が袖へと着くと、そこには既に他の3グループが集まっていた。
最も早くステージを踏むIDOLiSH7は、今は紡と言葉を交わしている。おそらく、行ってきますと告げているのだろう。

アイドルと、それを支えるマネージャー。二者にとってこの時間は掛け替えのない物だと、今の私になら分かる。邪魔をすることのないよう、私は少し離れた場所からエールを送るだけに留めよう。


「春人さん!」


眩い笑顔で私の名を呼び、駆け寄って来たのは陸であった。なんと他のメンバーも、後に続く。本番直前のこのタイミングで、7人は私と会話をする為に時間を使おうというのか。
驚く私を見て、大和は鼻で笑う。


「このライブ最大の立役者様に挨拶もなしで、祭りが始められるわけないっしょ!」

「ヤマト。時には素直な心をシンプルに伝えてみては?」

「はは!良いこと言うなナギ!ほら大和さん。春人に、頑張ってくるから応援しててくれって言っちゃえ!」


ナギと三月に揶揄われる大和は、うっせえよと唇を尖らせた。


「えりりん、それ…Tシャツ。やっぱすげぇ似合ってる」

「環くんは素直に自分の気持ちを伝えられて凄いね」

「ソウまで俺に精神攻撃仕掛けてくる…本番前なのに…」

「そ、そんなつもりじゃ!決して大和さんと環くんを比べて言ったわけでは…!」


本番直前でも、いつもと変わらぬ仲睦まじい7人の姿。私は堪え切れずに息を噴き出す。すると、最後に一織と陸が私の前にやって来た。


「私達にこのステージを用意してくださったこと、感謝します。その御礼に、これまでにないくらい とっておきのパフォーマンスをお見せしますよ」

『ええ。ここで、観せてもらいます。貴方達にしか見せることの出来ない、虹のような7色のきらめきを』

「はい!きっと、期待に応えてみせますから。だから、オレ達のステージから目を離さないでくださいね!
じゃあ、春人さん。行ってきます!」

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