• テキストサイズ

引き金をひいたのは【アイナナ夢】

第14章 俺は、あんたより すげぇアイドルに ぜってーなってやる!




「また…会えるよな?」

『…うん。お互い忙しくて、なかなか時間は取れないだろうけど…。また連絡するから』


小鳥遊事務所に到着した私達。環はすぐには帰らず、名残惜しそうに 私の側から離れようとしなかった。


「俺からも、ラビチャ してもいい?」

『うん、勿論』


こんなふうに慕われてしまったら、私も彼から離れ難くなってしまうではないか。

久方ぶりの再会の衝撃で、彼に言うべき事を失念していた私。しかしこのギリギリで思い出した。


『あ、タマちゃん。他の人の前では、えりりんって呼んじゃ駄目だからね』

「…なんで」


うわぁ、不服そう。


『…あと、女の子扱いも禁止。私は今は男として、この世界で生きてるの。女だってバレたら困る。
ね?…お願い。協力して?』


私は両手を合わせて、彼を見上げる。


「…分かった。えっと、…えりりんって呼ばない、女の子扱いしない…あと、女だって言っちゃダメ…」


彼は禁止事項を指折りして数えている。


『うん、ありがとうね』

「あんたの事、困らせたくねぇもん」


口を尖らせる環。やっぱり、優しい。


『じゃあ…私はそろそろ行くね。ご馳走様。
本当に 今日は、会えて良かった』

「俺も。あんたに会えて嬉しかった」


私はバイクにエンジンをかける。そしてヘルメットを被る前に、最後の挨拶を彼に向ける。


『ありがとう。じゃあね、タマちゃん。おやすみ』

「あ、忘れてた」


??一体何を忘れたのだろう?そう思うのと同時に、腕を くんと引かれる。

その後すぐ、額に柔らかくて温かい感触。


『…え』

「…へへ、おやすみの ちゅー」


少しだけ頬を染め、悪戯っ子のように笑うのだった。

/ 2933ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp