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引き金をひいたのは【アイナナ夢】

第102章 ŹOOĻ!ŹOOĻ!ŹOOĻ!




ツクモ社内。レッスン室の前。私はドアに張り付くようにして、中の様子を窺っていた。現在、ŹOOĻが揃ってダンスのレッスンを行っているのだ。

そんな時、廊下の向こうから了がやって来る。そして、姿勢を低くしている私へ のしっと乗っかった。


「なになに覗き?いいね!僕にも聞かせてよ!もし僕の悪口言ってたら部屋に乗り込んでいって、舌をペンチで引っこ抜いてやろう!」

『お、重い…』


悪口なんて、とんでもない。悪口どころか、会話の1つもないのだから。
彼らはただ、流れる音楽に合わせ一心不乱に踊っていた。難易度の高い振りを見事に熟しながら、光る汗を散らしている。でも、笑顔を忘れていない。まさに本番さながらの、本気のダンス。

了は、珍しく口を噤んでいた。おそらく、彼らがここまで真剣にレッスンに打ち込む姿を始めて目の当たりにしたのではないだろつか。


「……ふん。つまんないの。君のせいで時間を無駄にしちゃったじゃないか」

『べつに私が呼び止めたわけじゃないんですけど』

「うるさいな。っていうか、明日を本番に控えて普通あんなに練習させるかな。スパルタが過ぎるんじゃないんですかー」

『私は全員をオフにしましたよ。つまりあれは、自主的なレッスンです』

「は?嘘だろ。少し目を離した間に、彼らはすっかり変態だ」


了はオーバーに肩をすくめると、これまた大袈裟に溜息を吐いた。

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