第99章 間違ってると思ったことは、間違ってるだろってそう言いたい
おまけ
●日頃の行い
『悠。あんな無茶は、金輪際ごめんですよ』
悠「何が?」
『飛んで来るグラスの前に飛び出したことです』
悠「あぁ、あれね。そんなの、体が勝手に動いたんだからしょうがないじゃん。ていうか普通さ、そこはありがとうだろ」
トウマ「はは。ハル、カッコよかったな」
虎於「あぁ。咄嗟に身を呈して女を庇うなんて、なかなか男気があるじゃないか」
悠「は?何言ってんの?女って何の話」
虎於「そういえば、悠は知らなかったな。俺としたことが、つい口を滑らしちまった」
巳波「ふふ。わざと仰ったんでしょう?
それよりも、狗丸さんは驚いていないご様子で。もしかして彼女の事情、ご存知だったのですか?」
トウマ「ま、まあな。ちょっと、色々あって」
巳波「色々、ですか。それは…非常に気になりますね」
悠「なぁ。皆んな、何の話してるわけ」
『ちょうど良い機会です。悠にも打ち明けておきましょう。驚かないでくださいね。実は私、男じゃないんです』
悠「男じゃなかったらなに」
『男じゃなかったら女でしょう』
悠「……はぁ。
オレ、あんたのこと…その…嫌いじゃないよ。だから忠告してやるけどさ。こういうの、面白くないから他ではやらない方が良いと思う」
虎於「ははっ。信用の欠片もなくて笑えるな!」
巳波「日頃の行い、でしょうか」
トウマ「ハ、ハル!ほら、もっと真剣に聞いてやれって!春人は俺達の仲間だろ!?仲間を信じてやれなくてどうするんだ!」
『トウマ。貴方、つい最近 自分が全く同じ台詞を私に吐いたこと覚えてます?』