第13章 プロデューサーさんまでカッコ良いんですね…
TRIGGERはここ最近、また人気度と知名度を上げた。楽はドラマや映画に呼ばれる事が多くなったし。天は頭の回転が良いので、コメンテーターとしての仕事が増えた。龍之介だって、そのガタイの良さやセクシーさに磨きがかかり、撮影の機会が増した。
そんな、ソロ活動も目立つようになってきた彼らだが。今日は三人揃って歌番組の収録。もちろん私は、現場に同行する。
無事に何事もなくリハを終え、私達は楽屋で出番が来るまで待機する。
今はまだ、他のグループがリハーサル中だ。
「春人くん?何見てるんだ?」
私がペラリとページをめくったそれを、龍之介が覗き込む。
『共演者リストですよ』
私がそれを差し出すと、龍之介は私の隣に腰を下ろす。
そのやり取りを遠くから見ていた楽と天が、私と龍之介の前のソファに着いた。
「なんだよ、お前のお眼鏡にかなう新人でもいんのか?」
「例えどんな新人でも、同業者なら全部ライバルだけどね」
実は、楽の言う通り…今日の共演者の中で、私には一際気になる同業者がいるのだ。
そのアイドルグループの名前は… MEZZO" 。
『…この2人の歌は、聴きに行きましょうか』
「ああ。春人くんが、そう言うなら」
「…上手いのか?」
その質問に、私は正直に答える。
『分かりません』
「分からないのに、気になるの?」
正確に言えば、“ 2人 ” になった彼らを 私は知らないのだ。だって、彼らは “ 7人 ” だったはず。他の5人は一体どうしたのだ。
…IDOLiSH7。所属事務所の意図が分からない。彼らは、7人でなければいけない。
虹が 7色あって初めて美しいように。彼らも7人揃って輝けるのではないだろうか。