第91章 相変わらずの強欲っぷりだな
“ 以前も言ったはずです。私が欲しいのなら、取引でと。
TRIGGERにとって、有益な情報か言動。貴方にそれが、提供出来ればの話ですけどね ”
俺にはそれが出来ないと、高を括ったあの言葉。
自分でも気付かぬ内に、ほくそ笑んでいた。
やってやろうじゃないか。そして あいつを、交渉のテーブルに着かせてやる。
「Re:valeだな。一発目に打ち上げる花火は、デカイ方がいい。絶対王者が散る様は、さぞ綺麗だと思うぞ?」
自然に言ったつもりだったが、了の瞳が怪しく揺らいだ。
「…へぇ。虎於はそこを選ぶのか。少し、意外だったよ」
「……」
「まぁいいだろう。
さて!票は出揃った。おやおや〜? Re:vale二票、TRIGGER二票!意見は見事に真っ二つだ!これは困ったことになったねぇ」
了は、まるで困ってないふうに言った。
シャンパンをテーブルに預け、俺は代わりに、ダーツの矢を手にする。そして、壁にあるダーツボードの真正面に立った。
「なら、こういうのはどうだ?
俺が、目をつぶってこれを放つ。偶数に当たればRe:vale。奇数でTRIGGERだ。折角の余興だろう?楽しんでいこうぜ」
「わぉ!いいね!最高にクールだ!よし、それで決めちゃおう!」
4人が見守る中、目を閉じてそれを放る。
タン!と、小気味の良い音と共に突き刺さった場所は…ダブルブル。
「パンパカパーーン!決まった!最初のターゲットは… Re:valeだ!」
さぁ。取り引きと言う名のゲームを始めよう。
俺はどんな手を使っても、エリ。お前を手に入れる。
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