第80章 嘘吐き
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いい加減、重たくなった服が煩わしい。荒々しくシャツを脱ぎ捨てる。それはドシャっと音を立ててその場に落とされる。
俺が服を脱いだ事で、挿入の気配を悟ったのであろう彼女。荒い息遣いで、こう懇願する。
『龍、ねぇ、ベット…連れてって…?』
「…どうして?」
薄く笑って、ベルトに手を掛ける俺を確認すると。エリは自らの足で風呂場から去ろうとする。
そんな彼女の腕を取り、また強引に引き寄せた。そしてそのまま身体を持ち上げてしまう。
一瞬 驚いた顔になる彼女だったが、声を発する隙は与えない。
エリの身体を、俺の中心の元へと落とす。
すると彼女の自重で、欲棒がずぶりと中に沈んだ。
その刹那、エリの身体は大きくしなる。
『っ、あ…っんあぁ!!』
「〜〜〜ッ、!」
分身が一気に熱い肉に包まれて、俺の腰は震える。
しかし。強烈な快感に襲われたのは、俺だけではない。
『は…っ、はぁ!あ…ぁ』
「っ、エリ…いま、イッちゃった?」
『ぅ、あ』
「…入れただけでイクなんて、えっちだね。エリは」
こんなにも卑猥で意地の悪い言葉が、スラスラと自分の口から出て来るなんて信じられなかった。
『イッ て、な…っ』
「はは…。 嘘吐き」
『や、ぁ』
「嘘吐いても分かっちゃうから。ほら、君の中…ビク、ビクって、痙攣してる。
中にいる俺を、ずっと刺激してるよ」
俺は目を細めて、少し大きくなった彼女の下腹を撫で付ける。