第79章 知るか!バーカ!
「いっ…てぇな!馬鹿力!っていうか、あんた誰なんだよ!関係ねぇやつは引っ込んでろよな!」
『あぁ、そういえば私だけ自己紹介がまだでしたね。私は、中崎春人。貴方がダサいと罵った、TRIGGERのプロデューサーです。
どうぞ、以後お見知り置きを』
「…TRIGGERの…プロデューサー?」
『そうですよ。
それで、どうしますか?まだうちのタレントの悪口続けてみます?もしまた雑言を口にするようなら、次は額ではなく、もっと痛いであろう箇所にデコピンを撃ち込む事になりますが…』
「ヒ…っ!!
ふ、ふん!もうこっちはとっくに飽きてるんだよ!知るか!バーカ!」
みるみる青い顔になってしまった悠は、ジリジリと後退りで私の前から退散する。
「バーーカ!」
消え去る寸前またそう言って、ついには姿が見えなくなってしまう。
残された4人は全員で、彼が消えた方向を見つめていた。
『…ちょっと、可愛いな。あれは、ツンデレ属性と見た』
「いや、ぜっんぜん可愛くないから。
ってか いすみん、学校じゃそんな悪い奴に見えなかったんだけどなぁ」
「悪い悪くないと言うよりも、明らかに憎んでいましたよね。TRIGGERを」
「もしかして、知らず知らずの内に俺達が彼を傷付けてたのかな。だとしたら、きつい言い方をして悪かったかも…」
悠が、どうしてTRIGGERを憎むのか。その憎悪がどれくらい深いものなのか。
私達は、まだ知らない。