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引き金をひいたのは【アイナナ夢】

第9章 抱いて差し上げましょうか?




『頭は正常ですよ。多少汚めなのは認めますが。そんな事よりも…出版社で、担当者と話をして来ました』


私がパソコンから視線を上げて彼らを見ると、椅子がギシリと音を立てた。


「!会えたのか」

「よくアポ無しで会えたね」

「それで…どうだった?」

『…すみません。謝罪文掲載の約束は、取り付けられませんでした』


楽と天は、小さく溜息をついた。
その隣で、龍之介は心許無く微笑んだ。


「…春人くん。一生懸命やってくれたんだね。また無理したんじゃない?…ありがとう」


そんな諦めモードの3人に、私は語りかける。


『どうしてもう諦めてるんですか?もう次の作戦に移ってるんですよ。まだやれる事はあります。
だから着替える暇も惜しんで動いてるんですから』


いい加減に、膝小僧が寒い。


「!…記事に載ってる女性を探してるの?」

「そうか…その女に、出版社とグルでしたって白状させるんだな」


さすが、カンの良い天は気が付いたようだ。私はその言葉に頷いた。
そして、ほぼほぼ楽が今言った通りである。


『その女性は、モデル業を営んでいるらしいです。

十さん。今、事務所総出で 口元にホクロのあるモデルをピックアップしています。
最終確認は、貴方にお願いしても良いですか?』


最終は、龍之介の記憶力に頼るしか無い。


「勿論、彼女の顔は 割とちゃんと覚えてるから。本人の写真を見れば 絶対に分かる」


頼もしい言葉が返って来た事に、ほっと胸をなで下ろす。

皆んなが同じ方向に向かって動いている。
必ずそのモデルを見つけ出し、嘘を自供させた上で 出版社との繋がりも認めさせてみせる。

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