第67章 左手は添えるだけ
「ダストボックスシューーート!」
何故、ゴミ箱なのだろうか。首を傾げると、小さく震える百と目が合った。
「っ、春人ちゃん逃げて!三月のあの技を食らったら最後…冷凍庫の中が、空っぽになっちゃう…!うぅっ、肉も魚も、全部いかれちゃうんだ…ちゃんと冷凍して保存してたのにっ」
「百さん!まだそんなこと言ってんですか!?だからあれは、保存じゃなくて放置!あんた冷凍の力を過信し過ぎなんですよ!」
どうやら あの技が、かつて百にトラウマを植え付けたのは間違いないらしい。
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「その隙、モモちゃんは見逃さない!いっけぇー!スーパーウルトラモーニングシュート!」
思わず、懐かしくて声が出そうになった。
【7章 117ページ】
前回はゲームの中で拝見したのだが、彼のシュートは現実世界でも見事であった。
真面目な顔をして、三月と龍之介が話している。
「相変わらず、恐ろしいシュートですね…」
「うん。百さんのあの技名を聞いたが最後、皆んなが口を揃えてこう言うからね…」
「「あぁなんか…コーヒー飲みたい。って」」
『いや あの有名な缶コーヒーの名前は、モーニングショットですからね』まぁ似てるけど
モーニングシュートからモーニングショットを連想して、コーヒーが飲みたくなるのだろうか。
どうして皆んながそう言うのか、真相は分からないが、正直どうでも良かった。