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引き金をひいたのは【アイナナ夢】

第66章 しちゃうか〜結婚!




年末。それは、芸能界で生きる者達にとってはヘビーな時期だ。
連チャンで行われる大型ライブ。年始に放送する分のテレビ収録。長時間に渡る特番放送への出演。

TRIGGERも、例に漏れる事なく多忙を極めていた。嬉しい悲鳴というかなんというか、スケジュール帳は真っ黒である。

後部座席の3人も、さすがに疲労の色が隠せない様子だ。口数も、普段よりも少ない気がする。


「年末ってのは、やっぱり忙しいよな…」

「だよね。まぁ、師走って言うくらいだから」

「ありがたい事でしょ。この時期に暇がある方が問題だと思うけど」

「あぁ、マジでありがたいよ。年越しには蕎麦を食うって風習を作ってくれた奴には、心から感謝してる」

「何の話」

「はは。楽が忙しいって言ったのは、TRIGGERの事じゃなくて蕎麦屋さんの方だったのか」

「そうだ」

「キミのそういう、少しズレた話題を選んだりするところ目の当たりにしたら、なんだか どっと疲れる」はぁ

「なんだと?蕎麦を悪く言うなら、お前 今年の年越しは蕎麦食うなよ」

「ボクが悪く言ったのは、蕎麦じゃなくて楽なんだけど。
それに、どうしてキミに年越しに食べるメニューを制限されなくちゃいけないの」

「あぁもう、喧嘩はやめてくれ…止める体力ももう残ってないんだ」


気のせいだった。彼らの口数は、普段と何ら変わりない。
これくらい元気があるなら、まだもう少しスケジュールを詰めても問題無さそうだ。

ハンドルを握りながら、そんな謀略を目論むのであった。

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